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2021/01/25 15:47

刺繍とひと口に言っても、その歴史、地域、はたまた技法まで、様々な刺繍が世界には存在します。刺繍という概念がいつどこで発明されたのかは、現代に伝わっていません。それほどに古くから針に糸を通し、布地に刺すということはされていたということです。そして、制作されたそれらは、人々を魅了したからこそ今尚、伝統刺繍から現代的なアプローチによる刺繍まで存在するのでしょう。

私自身もその美しさ、繊細さに魅了され続けている一人であることは間違いありません。
ファッションデザインを長年続けてきましたが、今までに刺繍を取り入れたファッションを何度となく提案してきました。

先日、お客様としてアトリエにお越しくださった方がホワイトワークと呼ばれる白糸刺繍をされているとのことで、たくさんお話を聞いていたら、急に過去の商材を引っ張り出して、アーカイブしてみたくなりました。ということで、いくつかピックアップしてご紹介します。

ー めくるめく刺繍の世界へようこそ。ー

まず、ファッションに取り入れて商材として販売するには、手刺繍ではコストがかかりすぎる。そしてロット(枚数)も数多くは作ることが難しいという点があり、機械刺繍が主な技法となります。
かれこれ10数年前、都内にある刺繍屋さんに初めて仕事を依頼した時はドキドキしたものでした。自身でデザインして初めて作った刺繍の商品はオリジナルのエンブレムブローチでした。この商品は意外というのか、大人の方に人気を博したものとなりました。

色々な技法で面白いものが作れると知ってからは、こんなカットワークにも挑戦しました。スプリングコートのヨークにカットワークを施して、二層になった中に色とりどりの布地のパッチーワークを埋め込んで、花火柄を魅せるというなかなか大胆なデザインで遊びました。当時よりも、今ならもっと評価されそうな商品です。(手前味噌)


これは珍しく、自分で手刺繍を施した渾身の一枚です。チュニジアがテーマだったコレクションでチュニックワンピースの袖部分にバブーシュ(革スリッパ)からインスパイアされた柄をチクチクせっせと刺したものです。数年に一度春先になると着たくなるワンピースです。


これは刺繍屋さんに何度も足を運んでは細かい修正などを繰り返した思い出の一品。
世の頑張る女性達をテーマに、美しい花に囲まれて、自由の女神がファイティングポーズをきめています。上質なウールツイードと機械刺繍のテンションの相性を見極めながら試作を繰り返してくださった職人さんの心意気に感謝の思い出が詰まっています。

これは言わずもがな、「1万円のシャツ。」でお馴染みのカロチャ刺しゅう作家さんの井沢さんに色々と無理を言って制作してもらった、和柄をカロチャ刺繍で仕上げるシリーズの第一弾。第一弾と言うからには、第2弾、第3弾と続けて行きたいなと企んでいるシリーズです。


以上、今までの作品群からいくつかご紹介してきました。
「お家で過ごすことの多くなった今、手仕事があったのが本当に助けになったのよ。」と先日のお客様もおっしゃっていたのが頭の片隅に残っています。確かに、ただひたすら何かに夢中になれる時間は時には有難いものですよね。
刺すのも良し。見るのも良し。さあさあ、めくるめく刺繍の世界にアナタも繰り出してみませんか。